コーチ兼任という関わり方の是非
僕は「コーチ兼任」は賛成派です
おはようございます。
岩手大学監督の佐藤陽一です。
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◎今回のテーマ
複数チームを兼任すること
※今回の内容は以前オンラインサロン内で投稿した内容となっています
コーチ兼任はメリットだらけ?
指導者の皆さんに質問です。
皆さんは自チーム以外のチームに深く関わってアドバイスしたことはありますか?または、複数チームを兼任して指導したことがある方はいらっしゃいますか?
ちなみに、僕は今回初めて自チーム以外の運営に関わっています(ユース等の代表活動は除く)。群馬大の活動がまさにそれですね。
そして、関わった結果、2つ以上のチームを同時に見ることは自分にとっても指導チームにとってもめちゃくちゃプラスになるということに気づきました。
プラスだと思う理由は、
①交流が持てる
②新しい発見が生まれやすい
からです。
①に関しては、コーチを兼任しているからこその副産物です。両チームが交流を持てれば、合同でのイベント(合宿など)や練習試合、お互いの周りのチームとの練習試合もアプローチしやすくなります。つまり、両チームのリソースを使えるので、チーム運営の打ち手、策が倍になります。打ち手や策が倍になればチームの活動量が増えて強くなるのは明白です。まさにwin-winの関係です。
②はもはや当然ではあるのですが、違う環境の刺激があると新しい発見を生みやすいです。空き家が朽ちるのが早いように、人間も自分に新たな刺激を与えていかないとあっという間に老います。その刺激をもらえて考えを巡らせることで新しい発見が生まれ、それが結果として自分の成長につながると思っています。
※そもそもの前提ですが、このコーチ兼任は同じ地区&同じ階級のチームを見るのは想定していません。そんなことをしたら何か不都合が起きたときに色々気まずいです(たとえ配慮していたとしても)。このような立場で学生たちからの信用を得るのはとても難しいでしょう。
群馬大に関しては期限ありの関わり方なので、もし機会に恵まれれば今後岩手大以外の大学でコーチ兼任してみたいですね。
僕の考える関わり方
複数チームを同時に指導する上で心配されるのが関わり方の比重です。
たしかに、複数チームを見るということで、どちらかのチームへの関わり方が薄れたり、指導が中途半端になってしまうのではないかと不安に思ってしまうこともあるかもしれません。
実際僕も不安でしたが、一旦「スタンス」というものを決めてから取り組むと良いことがわかりました。
つまり、指導するチームそれぞれの関わり方を決めてから指導に当たるということです。イメージがつきにくいと思うので、以下で例をまじえて説明したいと思います。
まず、スタンスとは「自分がコーチとして”どの立ち位置”でチームに関わるか」ということです。
そして、自分の立ち位置(ポジション)については「飲食店」を例にするとわかりやすいです。
例えば、
今回の群馬大への関わり方は「食材提供、レシピ提供」をする農家さん的ポジションです。僕はチーム運営をする際に考えなきゃいけないことや方法などをただただ学生たちに提案していきます。
学生たちはその提案を取捨選択して決断して実行していく。まさに料理を作るシェフです。
このときどんな料理ができるかは学生に委ねるので、よっぽどとんでもないものを作らない限りは口出ししません。
対して、岩手大への関わり方は「お店の経営」を見るオーナー的ポジションです。
食材調達もできあがった料理も、そしてその結果お店がどうなったかまで全部見なきゃいけないという感じです。
なので、学生はシェフだからといって自由なものばかり作れるわけではありません。チーム運営(お店経営)を無視した活動はしっかりオーナー(監督)が修正していきます。
このように、
アドバイザー=農家さん
監督=オーナー
HC、AC=店長、シェフ補佐
みたいに自分がどの立ち位置でチームに関わるかということを決めて取り組むとスタンスが決まって指導も明確になります。複数チームを持つ際はこのような考え方をまず持つのが良いかもしれません。
今後は当たり前になる?
そもそもなんで複数チーム持つことに対してこんなに真剣に語っているんだと思われる方もいるかもしれません。まずはひとつのチームをちゃんと見ろよ。そういう意見が大半だと思います。
その理由を説明すると、僕は今後、
複数チームを持つ指導者が増えてくる
と思っているからです。
今はオンラインが異常に加速しています。
オンライン講習、オンラインミーティングはもはや当たり前です。
その流れで、「オンラインコーチ」みたいなのも徐々に普及してくるのではないかというのが僕の考えです。
それはつまり、「チームを兼任して持つ」ということです。
ある程度名の知れたコーチは地方の大学から声がかかり、「オンラインでいいのでチームにアドバイスをしてくれないか」という依頼が来るかもしれません。地方の大学は指導者に恵まれていないので、同じリーグに属さないなら関東のコーチをアドバイザーにつける…みたいな流れもありそうです。
もしかしたら、今現在、A級指導者がチームにいなくて他地区のA級指導者をチームに登録させてるところもあるかも。
※余談ですが、僕はむかしA級指導者のいないチームに名前だけ貸したことがありましたが、これはとてもキケンなことだとわかりました。もしそのチームでトラブルがあったら責任者として矢面に立たなければいけなくなります。指導しないのなら名前だけ貸すのは絶対しないほうがいいです。
オファーはウェルカム!
いずれにしても、指導者の方々はチーム登録する以上はそれなりに責任を持って指導するはずなので、「オンラインコーチ」「兼任コーチ」みたいな関わり方はどんどん生まれてきそうです。
ちなみに、僕の印象ですが、地方を見渡すと、ほんのちょっとのアドバイスですぐに勢力図が変わるくらいのポテンシャルを秘めたチームが多いと思っています。そうなると指導者的にも急成長チームに関わることができるので、もしかしたらめちゃくちゃやりがいのあるチームに出会えるかもしれません。
「オンラインコーチ」「兼任コーチ」の流れは指導者自身がOKであればどんどん広まりそうです。
複数チームに関わることに抵抗がある指導者もいるとは思いますが、僕の体感ではデメリットは少ないと思います。むしろ先ほど挙げたようにメリットをたくさん感じているので、僕自身は「兼任コーチ」「アドバイザー」のオファーはウェルカムです。(もしあればですが)
というわけで、もし指導者に困ってる、または僕の考え方を聞いてみたいというチームの代表者の方はぜひお声がけください笑
よほどの事情がなければ兼任も視野に入れて検討しますので。
というわけで今回は以上です。
それじゃあまた!