本を読まない部員たちに向けて取り組んでいる活動

僕自身、本を全然読まない人

こんばんは、岩手大学HCの佐藤陽一です。

今回は岩手大学ラクロス部向けに僕が行っているささやかな取り組みの紹介です。

その上で「やらせる」ではなく「勝手にやってしまう」仕掛けを考えていますという話をしたいと思います。今日のはちょっと複雑でクドい内容かもしれません。すみません。

グループLINEへの長文メルマガ

まず何をやっているのかということから説明しますと、

ズバリ

「グループLINEへの長文メルマガ」

をしています。

これだけ聞くと受け取る側からしたら非常に厄介です。笑

 

というか、僕自身もそうなんですが

「熱の入った指導者ほどグループLINEに長文を送りがち」

これって指導者あるあるじゃないでしょうか?

 

是非はともかくとして、僕は長文を送っちゃうタイプなので、僕がグループLINEに投稿するときはたいてい「すべて見る」という表示が出てきます。笑f:id:yoichilax2044:20200611153636j:image

 

でも、やっぱり長文って疲れますよね。打つ方も見る方も。かといって短いとちゃんと伝わるか不安。だからついつい長くなっちゃう。

なんで長くなる?

長くなる理由としては、本文内の「理由の理由(または強調)」部分が多いからだと僕は思っています。

つまりどういうことかと言うと、指導者からチームへのメッセージって、

①結論

②その理由

③②の理由(または強調)

という3構成で送ることが多いと思うんです。

 

具体例をあげると以下の感じ。

↓↓↓

「全体LINEについて&取り組み方に関して」

お願いです。
コーチ除きのLINEグループ等あると思いますが、そこでの連絡のやりとりを乱発しないようにお願いします。最近コーチ陣が知らない情報が多いんです。
昨日の図書館の使い方についての話や、新歓協賛の話も実際どういう動きをしているのかわかりませんでした。気を使ってくれてるのかもしれませんが、知らない情報が多くて対応が後手後手になってしまいます。例えば図書館の使い方もおれが同じようなことをしたらラクロス部が罰せられます。でも知らなかった。協賛系も動きをわかっていればもっと早くここまでにやって欲しいといったことを途中から伝えることもできます。また、お金の集まり方も把握できていればおれの方から先手で業者に構成変更やデザイン交渉で安く…とかもできました。でもできなかった。
みんなの動きをもっと教えてください。コーチも部員の1人としてくだらない内容にも混ぜてください笑

また、話は変わりますが、
おれはコーチはラクロスだけ教えるものではないと思っています。むしろ、ラクロス以外のところでみんなに価値ある情報を与えたいし、みんなが社会に出たときに役立つことを老婆心ながらアドバイスしたいと思っています。
その上でのアドバイスですが、強いチームはやはり組織が強いです。その強い組織がどういうものかおれは知っています。そしてそれこそが今の岩大にない部分であり、それができれば驚くほどの成果をあげられます。確実にあげられます!
昨日の結果をあらためて噛み締め、やはり岩大はラクロス以外の部分をちゃんと作らないといけないと反省しました。締まるところが締まらない、上級生の責任感、緊張感と危機感の欠如…昨日もバス移動するだけで行きから帰りまで色んなトラブルに巻き込まれました。誰が悪いかではなく「自分たちの行動次第では未然に防ぐことができたんじゃないか?」と考えてください。
「練習は楽しく!でも締めるところはしっかり締めてトラブルをふせぐ!」
この考え方を忘れないようにチームを作っていきましょう!

 

これ実際に僕が過去に投稿した内容をコピペしました。(長いですねw)

これを見るとなんとなく感じると思うんですが、実は一番伝えたいのは結論の「コーチ除きのLINEグループで全体連絡を乱発しないで」ではなく、「強いチームはやはり組織が強い」「練習は楽しく!でも締めるところはしっかり締めてトラブルをふせぐ!」の部分だったりするんです。

つまり、僕の考え方とか僕の思いが詰まった内容こそ話したいわけです。(こういうのは乱発するとウザがられるかもしれませんが)

だから文章が長くなる。

長い文章を送ることは悪いことではないと思う

これに対して、長い文章送ってくる指導者はセンスがないとか短くまとめきれないのはダサいとかいう思いは一切ありません。確かに結論がぼやけるかもしれないし、ウザがられて実はあんまり見られないということもあるかもしれないんですが、そんなことよりも、ムリに短文にしたり送信を控えたりして自分の考えや意見を抑えてしまうことのほうが悪だと思っています。(自分が長文送るタイプだから正当化しています笑)

でもやっぱり結論がぼやけてしまうのは防ぎたい

とはいえ、熱くなりすぎるとどうしても結論以外のところに量をぶち込みたくなります。そうなるとやっぱり結論がぼやけてしまうので、ちょっとは気を使わなければいけません笑

というわけで考えたのがグループLINEへの長文メルマガです。(結局長文!?)

結局は自分の考え方とか自分の知ってる情報を伝えたいだけ

これまで書いたとおり、チームへのメッセージが長くなる理由って、「③理由の理由」つまり「自分の考え方とか思い」を強調するから長くなるわけです。

しかも、それを「チームが抱えている課題」と結びつけるから余計長くなるし、ごちゃごちゃする。

例えば、

仮に「チームの雰囲気が悪い」という課題が挙がったときに、

①結論:挨拶をもっとしよう

②理由:チームの雰囲気が悪いという課題を解決するため

③理由の理由一番長い部分):「挨拶の効能」や「挨拶の重要さ」「それにまつわるエピソード」

④もう一度結論:「挨拶することでチームの雰囲気は変わる!」

みたいな感じで、最後にまた結論に戻ってきてもうお腹いっぱいなわけです。

 

だったら、いっそのことチームの課題とか関係なく、「挨拶の話」を突然しちゃえばいいじゃん!自分の考え方とか思いとか情報をただ無作為に投稿するだけのメルマガをチーム内でやっちゃえばいいじゃん!ということです。

要は、「③の部分だけを突然送る」ということです。笑

 

なんでもかんでもチームの課題に絡めるのではなく、「こんな考え方や情報あるよ」「みんなの生活の一部で役立つかもしれないよ」くらいの内容のほうが意外と響くかもしれないということです。

 

グループLINEのメルマガって具体的に何?

僕がやっているメルマガの具体的な内容は

「自分が得た知識、情報を投稿しているだけ」

です。

その多くは、著名人の発信内容や本の内容から抜粋しています。

これらを大事そうな部分だけまとめてLINEのメッセージ欄に打ち込んで投稿しています。だから、言ってしまえば本の内容のコピペです。ちなみに不定期発信です。

なぜ本の紹介やリンクを貼るのではダメなのか?

実はここからが今回のメインの話です。
どうせメルマガの内容が本の内容のコピペなら、その本を紹介したりリンクを貼ればいいじゃないかと思うかもしれません。しかし、僕は、メルマガで自分の考え方や得た知識・情報を伝えたいときは、できるだけリンク等を貼らないようにしています。意図的にそのようにしているんです。
なぜなら、本の紹介やリンクではその後の行動までつながらないから。
その後の行動とはつまり「本の内容を知る」「本を実際に読む」「リンク先に飛んで内容を見る」というものです。

そう思うようになったきっかけ

これからお話する内容は、このメルマガをやるきっかけでもあり、本の紹介やリンクの貼り付けをしないようになったきっかけです。
事の発端は、別のコーチが「みんな本を読もう」というメッセージを部員達に送ったことから始まりました。(何でこのようなメッセージを送ったかは割愛します)
それを見たときに僕はドキッとしたんです。なぜなら「僕自身が全然本を読まない人」だったから笑
昔から興味あること以外の本を全然読まなかったので(今もたいして読んでないんですが)、僕と同じような部員がいたらこのメッセージは重いなぁと思っちゃったんです。本を読む習慣のない人にとって、周りの人から「もっと本読めよ」と言われるのはとても苦痛です。笑
でも、本を読むことは悪いことじゃないし、語彙力を鍛えるにはとても良いと思う。それはわかってるんです。でも、「語彙力を鍛えるため」で本は読まないですよね?だからやっぱり本を読むきっかけというのはその本の内容に興味があるかどうかになります。
でも、その興味すらなかったら?
どんなに内容が良くてもその本読みませんよね?
というか、「内容がわからない本」を読みたいと思いません。
(これ結構矛盾している話かもしれませんが、実は多くの人が内容がちょっとわかる本を読むと思うんです。そのために「まえがき」があるし、最近では「まえがき」が無料で公開されてる本が多数あります。なんなら全文無料公開という本もあります。)
というわけで始めたのがこのメルマガです。このメルマガは本の内容の一部を知ってしまうメルマガなんです。
つまり、本に興味ない人が僕のLINEメルマガによって「勝手に本の内容を知ってしまう」「勝手に情報を与えられてしまう」という状況を作ったわけです。

「勝手に〇〇してしまう」という仕掛け

僕はこのメルマガのように「勝手に本の内容を知ってしまう」という仕掛けや仕組みがもっと生み出せないものかと考えています。
ちなみに今回のメルマガでは、
本を読む習慣のない人は「この本を読め」と紹介されても読まない

「この本おすすめ!」とリンクを貼られても買わないし読まない

でも、普段使っているグループLINEに本の内容を抜粋したメルマガが送られてきたら勝手に見てしまう

それを見たことで本の内容の一部を知ってしまう(この時点で仕掛けは成功)

それがタメになる内容だったらさらに知見を深めるために元ネタの本を読む(ここまで来たら大成功)
みたいな流れで、「本を読まない人」に「本を読む」という行動を起こさせる仕掛けをつくりました。
これが例えば、
「体幹トレーニングが嫌いな部員が勝手に毎日やっちゃうような仕掛け」
とか
「栄養補給のゴールデンタイムを逃すことなく勝手に栄養補給されちゃう仕組み」
みたいなものができればラクロスの強化的にも面白くなりそうな気がします。
(岩大の学生たちへの業務連絡になりますが、この仕組み作っちゃってください!)

人ではなくシステムに対してアプローチ 

部活動をしていれば、面倒くさいものややりたくないものって当然あると思うんです。でも強くなるためにはそれをしなきゃいけない。

じゃあ、それを歯を食いしばって気持ちを作って頑張ってやるのか、なんか知らないけど勝手にやっちゃってた、というのでは絶対後者のほうが長続きすると思うんです。

でも、僕もそうですが、ほとんどの指導者は、前者の立場で「どうやってその気持ち(メンタル)を作らせるか?」を考えて色々取り組んでしまいます。

それは、人(部員)に対するアプローチでなんとかしようというものです。

でも、今回のメルマガのように、これを人ではなくシステム(仕掛け)に対するアプローチでなんとかしようと考えるとまた新たな発想で面白いチームづくりができるかもしれません。

何か面白い仕掛けができたらまたこの場で書きたいと思います。

 

今回は以上です〜。

 

 

<お知らせ>

オンラインサロン『ラクロスの哲学』を開設しました。
ここではラクロスコーチングにまつわる様々な話を発信しています。

例えば、ブログの内容の深堀や今やっている新たな挑戦…といった内容です。

そしてその発信に対してメンバー同士で様々な意見交換が行われています。

興味のある指導者の方、チーム代表者の方はぜひ!

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