チームの「理念づくり」が流行ってるけど、頑張って考えるものではない話
理念なんてなんだっていい
今日はちょっと反抗的というか、いろんな人を敵に回しそうな内容かもしれません笑
でも、僕が思ってること正直に書きたいと思います。
まず結論から。
理念は頑張って考えなくていい
ということ。
理念を作らなきゃと思って頑張って考えるものではないということです。
なんとか捻り出して答えを出した理念はもはや理念じゃないということです。
でも、先に言っときますが、理念は大事です。(この流れでわけわかんないかもしれませんが笑)
理念は目的みたいなもんなので、目指すべきものとして言語化してチームの一体感を高めるのにはとても良いと思います。だからあるに越したことはない。
そう、
「あるに越したことはない」
多分理念についてはこの程度の感覚でいいんじゃないかというのが僕の考え方です。
というわけで、今回は、理念考えるより別なことしたほうが良くない?というテーマでお話ししたいと思います。
なんのために活動してるんだろう?
コロナの影響もあり、活動自粛やリーグ戦がどうなるかもわからない状況だと、自分たちは何のために活動しているんだろうと考えてしまいます。
そうなると当然の流れとして、自分たちが活動する「意味」みたいなものを考えてしまいがちです。だから今回のコロナ禍ではいろんなチームが「理念をつくろう!」という動きを起こしていました。ちなみにそれは僕も同じです。
色んな人に投げかけてみた
理念についてはオンラインサロンや様々な対談で話す機会が多く、その度に色んな意見を聞くことができました。
そして、そこでたどり着いた最初の結論は
「理念はおれ(そのチームの指導者)が決めるもの」
ということでした。
つまり、
学生達が決めるものではない
ということです。
早速反感買いそうな発言ですね。笑
「学生主体のスポーツだろが」
「指導者のためのチームじゃねーぞ」
「学生が決めることで学生の成長を…」
などなど数多の批判が聞こえてきそうです。
でも、僕自身めっちゃ理念について考えて考えて、考えまくって気が付きました。
この考えてる時間すごいムダ(笑)
そう思ってしまうのは理念の特性が関係しているからです。
理念なんてだいたいみんな似たようなもの
またまた反感くらいそうなタイトルですが、誤解を恐れずストレートに言います。
理念を考えれば行き着く先はみんなだいたい一緒
そもそも理念とは目的みたいなものだとは先程言いましたが、目的となるとゴールのない無形なものになります。
そうなると、まず間違いなく、「幸せ」「豊か」「楽しい」「感動」的なプラスの感情ワードが絡んでくるはずです。そして、これらの言葉は際限がありません。つまり、ゴールすることができないずっと追い続けなければいけない対象だということです。
例えば、「美味しい」という言葉にしたって、
「スーパーの卵に醤油かけて食べる卵かけご飯が世界一美味しい」
って言ってたやつが
「地鶏の卵使った卵かけご飯を知ったらこれが世界一になった」
「地元の有名な醤油使って卵かけご飯作ったらまた美味さの世界一更新された」
みたいな感じで、経験すればするほど「美味しい」はアップデートされ続けます。
まさに際限がありません。ゴールがありません。「美味しい」はずっと追い求められる感情です。
卵かけご飯についてムダに熱くなっちゃったので、理念の話に戻りますね。
つまり、
理念を考えると、このような
「際限のないプラスの感情」
を盛り込んだものにどうせ行き着くということです。
言っておきますが、そういう理念を否定しているわけではありません。
僕は今回の話では、理念を一生懸命頑張って考える行為を否定しています。
理念を考える時間の9割は言葉選び
このように、理念を考え始めると先程の「際限のないプラスの感情」に行き着きます。この感情が「方向性」になります。
そして一番の問題はここからです。
自分たちが追い求める理念の方向性は定まった、じゃあ次はそれを「いい言葉」で表そう!
絶対こうなるんです。
そしてこの言葉選びで迷走します。
僕もそうでした。
「短い言葉でスパッと」
「"日本"とか"世界"いう言葉も使ってより壮大なやつにしようか」
「ここはやはり有名企業のやつを参考に…」
そんなことを考えていました。
気がつけば理念そっちのけで「耳ざわりのいい言葉選び」を始めてしまったんです。
そしてこの思考時間は理念を考えた時間の9割は使ったんじゃないでしょうか。
トータル思考時間は2ヶ月です。笑
ここまで自分一人で考えて思ったこと
考えに考えて僕は思いました。
めっちゃ時間使ったな。。
それと同時にこんなことも思いました。
これを学生たちがやってたらかわいそう
なぜなら、この考えてる時間で僕が得たものってほとんどないんです。
アップルの「Think different.」っていうタグラインがかっこいい。。
くらいです。
貴重な時間を理念のための言葉選びに消費し、結局全然行動していない自分を発見してしまっただけでした。
もしこれを学生たちにやらせてたら、理念決めのためにミーティングをたくさんすることになっていたでしょう。でも、それをやったらきっと結論が出せずに時間ばかりが過ぎてたはずです。
「いやいやその考える行為が大事」という意見もあるかもしれませんが、実際に自己完結して思ったのは、考えるより何か行動していたほうが絶対にいいということです。そのほうがチームとしても個人としても前進します。
だから、学生たちに理念の話を振らなくて良かったと心の底から思っています。
理念づくりは学生たちの貴重な時間を使うのではなく、指導者である僕の時間を使う程度でいい。
理念づくりの僕の最初の結論はこんな感じです。
実は理念はまだ決まっていない
先程から「最初の結論」という言い方をしていますが、その理由は、まだ理念が決まってないからなんです笑
結局めちゃくちゃ考えて理念決まってません!
でも、今はそれでいいと思うようになりました。立ち止まって理念考えるより何か行動したほうがいいと思えるようになったので。
とはいえ最初は他のチームの
「理念考えてます」
「理念決まりました!」
みたいな発信には結構焦ってましたが。。
正直ここ最近の理念関連の発信が嫌がらせのように感じてイライラしてました笑
「理念のないチームは遅れてる」的な雰囲気だったので。
僕はこのような理念絡みのSNS投稿を「理念ハラスメント」って勝手に名付けてました。笑
理念の決め方だけは決めました
岩大の理念は決まっていません。でも、ひとつだけ決めていることがあります。
それは、学生たちの取り組みを見て僕が思った感情をそのまま理念にしようということです。中にいる学生たちが決めるよりも、客観的にチームを見れる自分がそこから感じる姿を表した方がベストなものが生まれるのではと思っています。
今回、理念づくりを学生たちにやらせなかった分の時間で、彼ら彼女らは色々「行動」しました。ユニット活動もそうです。まだまだ足りませんが、岩大のこれまでの動きの中では行動を起こしたほうだと思います。その分面白い発見があったはずです。
だから理念を定めるのであればその活動をもとにした理念になるのではないかと期待しています。
まだまだ行動している最中なので理念はできていませんが、決まったら学生たちには提案してみようと思っています。
理念は決めた人だけが満足するもの
最後に、理念について僕のもうひとつの考えをお話しします。
理念は定めた人の満足度が一番高くて、それ以外の人はそこまででもない
ということです。だから、理念はつくるよりも継続させることのほうが難しいし、つくるなら受け継がせるほうにこそ力を入れなければいけません。
そういう意味でも、理念をつくる人はチームに長くいられる人が良いと思うんです。
理念を理念として成り立たせるためには伝道者が必要です。
決めて満足するなってことですね。
いづれにしても、学生は理念考えるくらいなら1つでも多く行動して何かを得て前進し続けたほうが良いというのは間違いなさそうです。
理念づくりはコスパが悪いというお話でした。大事だけどね。
だからコスパが悪いことは僕がやっとくのでみんなはとにかく動いてっていう最終結論でした!笑
今回は以上でーす。
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