「ラクロスの正解はないから正解をつくらないといけない」⇛「じゃあどんな正解をつくるのか?」という話
学生のラクロス生活は4年間しかない
こんばんは。
岩手大学HCの佐藤陽一です。
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今回は僕の考えるラクロスの正解の出し方についてお話します。
ラクロスの正解とチームの正解
この2つの正解の違いについては過去記事でも書きました。
ざっくりおさらいすると、
「ラクロスの正解は無限にあるから、その中からチームの正解というものを選んで取り組まないと中途半端になるよね」
という話でした。
これについては賛否ありますが、僕がヒアリングした感じだと、指導者は賛、現役部員は否が多い印象です。
両者の気持ちはよく分かるんです。
現役部員たちからしたら可能性を狭めたくないという思いが強いだろうし、指導者たちからしたら中途半端に進むことがこわい…。
でも、ひとつはっきりしていることは、
この「チームの正解」を設定できていないチームは安定的に強くなれない
ということです。
声を大にして言いたいですが、
絶対にチームの正解を設定してチームビルディングするべきです!
ちなみに、幸いなことに岩手大はチームの正解を最初から設定しているので、あとはそこからどう突き詰めていくかという状態にはなっています。(心のなかではぐっと我慢しているメンバーもいると思いますが…笑)
岩手大の正解
今の岩手大の正解は、戦略的な部分にフォーカスしています。
「少人数だからAll Out Attack(総攻撃)しなきゃいけない」
⇛特定の誰かだけが疲れるような戦略は組めない。全員が相応に疲れなきゃいけない。だから全員が攻撃する。ロングだってオフェンスする(No.6戦術)。
だいたいこんな感じです。
これがチームの正解のベースとしてあり、そこから細かい戦術を組んでいく形になっています。
このように、チームの正解というものを設定しているチームはだいたい岩手大と同じように「大きな戦略」から考えているはずです。
ただ、ここで注意すべきポイントとしては
「そのチームの正解が何年単位で設定されているか?」
ということです。
ほとんどのチームが1年単位
このチームの正解はほとんどのチームが1年単位で設定しています。
つまり、チームの正解が毎年変わってしまうということです。
毎年チームの正解が変わるということは、ゼロからチームを作り積み上げる、でも1年経てばゼロに戻ってまた積み上げる、でもまた1年経てば…を繰り返すということです。
僕はこの繰り返しを何度も経験した結果、チームとしての成長に限界を感じるようになりました。
ちなみに、このように「ゼロに戻る」を繰り返すチームには共通してある言葉が使われます。
それが、
「去年は…」
です。
みなさんのチームはどうでしょうか?
「去年のチームは…」
「去年の戦術は…」
という言葉を使っていませんか?笑
これって去年の積み上げを崩すNGワードなんです。
せっかく1年間考えに考え抜いて積み上げたチームの正解をリセットしちゃってるんです。
ただ、これを言うと
「いやいや、去年の失敗があったから今年の考えが生まれたんだ」
「去年があるから今それが活きている」
と言って反論してくる人もいます。
でも、それがそもそも間違ってるんです!
だって、
新しく入ってきた1年生は同じこと言えませんよね?
1年生は入部すらしていないので去年の失敗がわかるはずがありません。
なんなら、1年生だけでなく2年生も「去年のこと」について疎い人が多いかもしれません。
そうなんです。
「去年が糧になっている」というのは実は一部の人間だけで、チームとしてみたらほとんど成長できていないんです。
だから、「去年」を否定して進めてしまうと、結局毎年ゼロに戻るを繰り返してしまうんですね。
4年間を見据えたチームの正解を
このように考えると、チームの正解は1年単位ではなく4年単位で考えなければいけないということがわかります。つまり、1年のときから4年時まで変わらないチームの正解を持たなければいけないということです。
でもこれ、とてもむずかしいですよね?
普通はできることではありません。なぜなら、そのチームの正解が間違っていたら元も子もないからです。もし間違っていたら4年分の時間と積み上げが一瞬で消えます。そんなハイリスクなものを誰がどうやって考えられるでしょう?笑
でも、4年間を見据えたチームの正解を出さない限りチームの継続的な成長はありません。
さあ困りました。。
どのようにすればいいのでしょう?
「突き抜けたオモシロい正解」にする
僕はこれについて以下のように結論づけて岩手大に落とし込みました。
それが、4年間を見据えたチームの正解は
「新しいことに特化する」
です。
要は、
・他と同じことをやらない
・取捨選択し、選んだものを超集中的に強化する
という考えでチームの正解を決めるということです。
いろいろ考えてわかったのは、結局、一番良くないのは中途半端に考えることなんです。
「4年間のチームの正解」という大きなことを決めるためには、思い切って振り切るしかないんです。
だから覚悟が決まるような考え方をすればいいんです。
そのために、ぶっ飛んだチームの正解を設定するということです。
どこの大学でも考えそうなちょっとした戦略、またはすでにある戦術のマネごとや少々の派生では結果が予想できます。それでは4年間を捧げるようなチームの正解にはなりえません。何より全然挑戦的じゃない。
でも、「それまでにない新しい発想」「特化された能力」という思い切ったもので戦うとなるとどうでしょうか?
やる側も見る側もオモシロくないですか?
このオモシロさが覚悟を決めるんです。
やっぱり4年間を捧げるものはオモシロくなくてはいけません。
(ちなみに、若干ギャンブル性を感じるかもしれませんが、僕は全くギャンブルだとは思っていなくて、ちゃんと緻密な計算をした上でこの正解への道筋を設計しています。だからよほどのことがない限り間違いにはなりません。)
まとめると、
4年間を見据えたチームの正解は、
「突き抜けたもの」にしよう。そしてそこに「オモシロさ」を感じよう。
ということです。
以上、今回はチームの正解はどんなものであるべきか?というお話をしました。
最近いろんな活動をやっていて書きたいことが盛りだくさんになってきました。
次回以降は
・マスク最終章
・1年生育成の新たな試み
・コーチと部員の役割から見るチームビルディング
という話題で小分けに書いていこうと思います。
ではでは、今回は以上ですー。
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