「今年のリーグ戦は開催されない」という最悪の状況を想定して動けているか？
「今年のリーグ戦は開催されない」という最悪の状況を想定して動けているか？
こんばんは、岩手大学HCの佐藤陽一です。
今回は「岩手大学ラクロス部の新たな取り組み」についてお話ししたいと思います。
緊急事態宣言が全国規模になりましたね。さすがに僕自身も重くとらえ始めています。
そういえば、先日父から「○○さんところの息子が介護のために東京から盛岡に疎開してきたらしい」といらない情報をもらいました。いよいよ田舎ならではの村八分感が出始めています。この情報の濃さはキツイですね。行動に気を付けないといつどこで刺されるかわかりません。
当然ラクロス部にも行動には気を付けるように言っていますが、まずは身の安全。家にこもれと言いたいところですが、バイトで食いつないでいる部員も多いので、手洗いなどの感染予防は徹底的にやってほしいと思います。
zoomミーティング開催中
さて、現在岩手大学ラクロス部では活動自粛に伴い、zoomによるミーティングを積極的に行っています。僕も途中だった個人面談をzoomに切り替えて再開しました。この個人面談については前の記事でも書きましたが、部員全員と１対１で行っています。
それにしても、zoomで個人面談をすると異常に疲れます。。
カメラは常に回っているので気が抜けないからでしょうか。
zoom飲み会なるものもどこかでやりたいと思ってましたが、もうzoomに疲れたので計画するのもやめました。笑
いかにリアルでの会話が重要かを知るきっかけになりましたね。
悩んだ末に決断したこと
個人面談では前回の記事に書いてあるようなことをやっていたんですが、現在の個人面談はちょっと内容が変わっています。
その変わったことが、部員達に
「今年はリーグ戦はないものと思え」
と伝えていることです。
正直これを伝えるべきか否かは悩みました。
が、これは期待したってしょうがないと割り切り、先週の段階で部員全員にメッセージとして伝えました。とは言え、もちろんリーグ戦の中止は決定しているわけではないし、開催されたら最高にうれしいです。でも、僕はよほどの奇跡がない限り今年のリーグ戦の開催は難しいと思っています。
こんなことを言うと、「なんでこの段階で部員たちの希望を打ち砕くようなことを言うんだ」と批判が飛んできそうですが、こういう話はとにかく早くすべきだと僕は思っています。なぜなら、もし本当にリーグ戦が開催されないとして、その決定が仮に７月に下されたとします。そしたら、今から７月までの期間にやってきたことは無駄になるからです。特に新４年生の精神的ダメージは計り知れないです。
「リーグ戦はないかもいれない」という不安を抱きながらリーグ戦のために活動するのと、今から最悪の状況を想定して別の形で動くのとでは、絶対に後者のほうが良いと僕は思うんです。
ラクロスのプレーに直結する活動はキケン
各大学の話を聞くと、今の自粛期間中は海外の動画を見て勉強したり、戦術を考えたり、家で出来るトレーニング、人の少ない時間にラントレ…みたいなことをしている大学が多いと聞きます。
これらはどちらかと言うと「ラクロスのプレー」に直結する活動です。
僕が先ほど「やってきたことが無駄になる」と言ったのは、まさにこのような活動に対してです。（このままだと言葉足らずで伝わりづらいので、ちゃんと言っておくと、もちろんこれらの活動が完全に無駄になるわけではありません。なにかしら得るものがあったり次につながるものもあるかもしれません。が、試合のための活動である限りほぼすべてが無駄になると思っています）
僕は、このような活動だけをやっている大学はすぐに考えを改めて、別の活動もすべきだと思います。
もしそのような活動を精一杯やって、結局リーグ戦がなかったらどうしますか？
なかったときの絶望感を大きくするだけです。
「リーグ戦がないと決まったわけではない。そのために準備をしておこう」
そんな淡い期待を持たせる発言をするより、まずは最悪の状況を想定させることが大事だと思います。
じゃあどんな活動をするのか？
「リーグ戦はないと思え」
その上で僕は部員達に以下のようにも伝えています。
「ラクロス以外でラクロス部の存在価値を高める活動をしよう」
極端な表現ですが、ここでいう「ラクロス以外」というのは、厳密にいうと「ラクロスのプレーに直結する活動以外」という意味合いです。
また、もしかしたら存在価値の「価値」という言葉がちょっとひっかかる人もいるかもしれません。ちなみに部員の中には個人面談で「価値って言葉がよくわからなかった」と話してくれた部員もいました。
確かにこの流れで「価値」というのはあまり使わないかもしれません。普通の流れならおそらくここは存在「意義」みたいな言葉にすると思うんです。
でもここで「価値」としたのには色々理由があります。
ラクロス部の活動は内向きか？外向きか？
大学のラクロスチームのほとんどすべては「自分達のために」活動しています。つまり、活動自体が自分達の欲求を満たすために行われているということです。
図でいうとこんな感じで、活動が内向きで、活動の意味（意義）を内側に求めています。つまり、普段の練習や試合、その他の部活動は、自分たちにとって意味ある活動だということです。
逆に、それとは違うスポーツチームにプロのサッカーやバスケチームのような地域に根差したスポーツチームがあります。それらのスポーツチームはどちらかと言うと自分達のためというよりは「地域のため」というミッションを抱えながら活動しています。
つまり、活動自体がチームの外に向いており、地域にとって意味ある活動を目指しているということです。
これはスポーツチームに限ったことではなく、一般的な会社も同様で、活動の意味（意義）は自分達の外に求めます。売れなくてもいい商品を自分達の自己満足のために作って消費することなんてありえません。
このように考えると、大学のラクロスチームは特に社会的な活動をしているわけでもないので、活動に「意義」を感じたとしてもそれは「自己満」でしかないんです。
だから、今の状態で「存在意義」なんて言葉を使ってしまうと自分達にしか向きません。
そこで「存在価値」です。
価値とは「外からの評価」であり、場合によっては「お金」に替わるものでもあります。つまり、外へ発信することで価値は得られるものです。
僕が「存在価値」という言葉を使ったのは、活動のベクトルを外に向けさせるため、すなわち、外に活動を発信することで、外から見た自分達の「価値」を高めるために使ったんです。
まとめると、
この
外への発信を意識した活動
これがコロナ時代を生きる岩手大学ラクロス部の新たな取り組みということです。
岩手を代表するスポーツチームに
今岩手大ラクロス部は小さな殻に閉じこもったまま、自分達だけで活動している団体にすぎません。
でも、本当は地域を代表するスポーツチームになりたいという思いを持っています。
地方のイチ大学の小さなチームがこんな壮大なことを言うのはおこがましいかもしれませんが、やっぱりスポーツチームってそういうものだと思うんです。
サッカーやバスケのプロチームだけじゃない。
アマチュアでも地域を代表して地域の誇りとなる活動はできるんだぞということを証明したいんです。
ちなみに、現在岩手大ラクロス部にはU-19日本代表の選手として登録されているメンバーもいます。
https://www.lacrosse.gr.jp/member/13207/
彼は西和賀高校出身で生粋の岩手生まれ岩手育ち。イモっぽいやつはだいたい友達。
高校時代の部活はまさかの吹奏楽部。（小さい頃は野球もやっていたので根っからの文化系ではないですが）そんな経歴ながらここまでやれています。
もちろん、彼のセンスを感じてくれて磨いてくれている日本代表のコーチ陣には感謝しかありませんが、個人の可能性をこれほどまでに開花させることができるラクロスってすごいスポーツなんです（そしてそんな彼を育成した岩手大の指導環境もちょっと評価してほしい 笑）
岩手大学ラクロス部『RAVENS（レイブンズ）』は、そんな「ラクロス」という、今はマイナーだけどそのうち必ずメジャーになる（する）スポーツを通じ、岩手を代表するチームになりたい。そして岩手を盛り上げたいと思っています。
そのためにまずは岩手大ラクロス部『RAVENS（レイブンズ）』を全国に知ってもらう活動が必要だと考えました。
そして、それは今のこの時期だからこそチャンスだと思っています。
というか、このコロナ時代をチャンスだととらえる前向きさがないとやってられません。
ここから岩手大ラクロス部は様々な発信をしていきます。
とりあえずいろいろやっていきます。
ぜひご注目ください！
今回は以上ですー。
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