【岩手大学ラクロス部】第4回OB総会

OBの支援ってなに?

おはようございます。岩手大学HCの佐藤陽一です。

今回は前回の続きOB総会のお話です。

その上でちょっと新たなチャレンジの話も書きたいと思います。

前回の記事はこちら↓ 

www.lacrosse-coaching.com

第4回OB総会

前回の記事は主将会の話でしたが、今回はOB総会です。こちらは主将会と同日の夜に開催しました。

 

今回集まったOBはめちゃくちゃ少なく、総勢で20人もいなかったはずです。そのうちの大半は引退したばかりの4年生なので卒業したOBの参加率はとても低かったです。

 

これには色々理由がありますが、まず一番の理由は「日曜日に開催」したということ。

社会人のOBの方々を呼ぼうと企画して日曜日開催にするのは正気の沙汰ではありません。笑

 

でも、学生から「2/9(日)開催」という日程を伝えられた時、僕は何の違和感もなくこの日曜開催を受け入れました。

なぜなら2/8(土)〜2/11(火)は4連休だと思っていたからです。飛び石連休になったらほとんどの会社はオセロ的に休みになるものだと思っていました。僕も僕の会社も正気の沙汰ではなかったということです。笑

 

というわけでOB参加率がめちゃくちゃ低い(10数人くらい?)OB総会となったわけですが、中には遠く北海道から来てくれたOBもいました!(北海道って近いようで遠いんですよね。物理的な距離以上に時間的な距離が)

 

そのOBの教え子に会うのは超久々だったのでだいぶ話し込みました。

「あのとき言ってくれたことが…」

「今は〇〇してます」

など、昔話も今の話も尽きることはありませんでした。本当に教え子はかわいいなと思いました。(気がつきゃ僕も35歳です…)

OB総会の変化

OB総会も今回で4回目になりましたが、実は年々変化しています。特に今回は

・特別な二次会

・アパレル予約販売

というのが今までと大きく違ったところです。

ひとつずつ紹介していきたいと思います。

特別な二次会

今年から現役OB含めたメンバーでOB総会後に二次会に行く流れをつくりました。

というのも、OBの経営する日本酒BARが盛岡にあるからです。

ここを勝手に岩手大学ラクロス部の聖地にしようと思っています(笑)もちろん未成年はお酒禁止。ハタチ以上の部員とOBだけが入って飲める限定空間です。

 

せっかくなのでその聖地をご紹介↓↓

〇日本酒バル 晴ル(haru)
岩手県盛岡市菜園2-6-26 山竹会館 1F
https://tabelog.com/iwate/A0301/A030101/3009849/

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〇オーナーであり、岩手大学ラクロス部OBの藤原さん

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OB総会の日はお店が休みだったのにも関わらず開けてくれました!(大感謝!)

 

本来であれば「晴ル」は学生が行くにはちょっと雰囲気負けしそうなお店です。日本酒BARですので。しかもワイングラスで日本酒をいただくスタイルということもあって、ちょっとドキッとします笑 

しかし藤原さんのおかげで学生達もそのオシャレな雰囲気をしっかり味わえたのではないでしょうか。

そして、何より、盛岡のお店を経営している方がラクロス部のOBであるという繋がりは大切にしてもらいたい!

結局、お店選びって「人」なので。

「何を食べるか」「何を飲むか」よりも、

「誰と飲みに行くか」

「誰のお店で飲むか」

これが今の時代のお店を選ぶ一番の基準になっちゃってると思います。

とは言え、当たり前ですが食も酒のクオリティもバツグンですよ。地酒含め全国の良いお酒が飲めるし、何より旨いのがローストビーフとお通しです。特にお通しは僕的には最高です。お通しのために行っているようなものです。

アパレル予約販売

さて、続いての変化である「アパレル予約販売」についてです。今回のOB総会ではアパレルの予約販売を行いました。これには僕のたくさんの想いが詰まっています。

 

ここからはお金の話になります。

ただ、多くの人はお金の話になると嫌悪感を抱きがちです。それは販売している部員達もです。でも、このお金にはちゃんと向き合っていかなければならない。

なのでここからはちょっと熱苦しい僕の想いを書かせていただきます。

大学の部活動はボランティア

大学スポーツ(ここではサークルを除き"部活"に限定します)の運営の一番大きな特徴は、

運営費用は部員自身のお金

であることです。

これは言ってしまえばボランティアです。

部員も指導者もみんなボランティア活動をしているようなものです。

なので、資金的な限界がきたら活動できなくなるんです。(これは部員だけでなく、指導者にとっても悩ましい問題です)

 

それなのに周りからは結果を求められながら活動しています。ある程度の結果を出さないと、部としての価値を認められずに廃部になるので。

 

と、これが通常の大学スポーツの運営ですが、そうは言いつつも、ほとんどのチームは外部からの資金援助を受けています。

 

その資金援助のほとんどが

OB会費

です。

 

また私立大であれば、大学側から多額の援助があるところもあります。(一応岩手大もあるようですが年間10万くらいです)

 

そのような援助は遠征費用やコーチ費用などに使われ、部員達の負担をものすごく軽くしています。(指導者の負担も)

これに関しては、僕自身、現役の頃は全然意識したことがなかったのですが、岩手大に関わって初めて当時のありがたみを知りました。おかげで継続的な活動もできて、強さも追い求めることができていたわけです。(本来であればもっともっと自己負担が大きかったはず)

だから外部から資金援助を受けているチームはその感謝を忘れてはいけません。

岩手大学ラクロス部は廃部間近

ここで岩手大学ラクロス部の話をすると、

岩手大学ラクロス部はOB含めた外部からの資金援助がほぼありません。

(ちなみにここでいう資金援助とは「継続的な」資金援助です。ボーナスのような一時的でいつあるかもわからない援助では、ある学年の時は良くても、他の学年の時に苦しむので援助とは呼べません)

 

多分このブログを見てくださってる全国のチームの方々は驚かれると思います。

OBからの資金援助がないまま活動を続け、東北地区でそれなりに結果を出し、今日まで生き残っているというのは結構稀なことです。

今活動できているのはたまたまです。

活動できるだけの部員数をなんとか集め、ボランティアでもなんとかやっていけるコーチもたまたまいて、練習も試合の遠征もなんとかお金を見繕って行っている。

ただただ、部員達の意志の強さと節約と運だけでなんとか成り立っているギリギリの状態です。

 

今のままでは本当に強くなるための"厚みのある強さ"を追い求められないので、限界は必ずきます。(もちろんそうならないために僕もやれるだけのことをやりますが、もしかしたら僕にも活動限界がくるかもしれません。所詮ボランティアなので)

そうなってしまったら、部として生き残るためのつまらない活動を続けるだけになってしまいます。

なぜOB会費がないのか?

「なんで岩手大はOB会費がないの?」とよく聞かれます。

それは僕にもわかりません。

でも、僕自身のことを考えると、母校のOB会費に関しては「そういうものがあるから払っている」だけなんです。つまり岩手大の場合、OB会費というものが「ないから払わない」のであって、OB会費という文化を作ってしまえばいいだけなんです。

 

ちなみに、このOB会費についてはOB達に任せていました。なのでそういう文化がすぐに作られると期待していたのですが、、結局数年経ってもできていません。。

やっぱりゼロをイチにするのって大変なのかなぁと思いました。

OB会費は払いたいか?払いたくないか?

というわけで、OB達がゼロをイチにするのが大変なら、現役主導で作ってしまうしかありません。(また得意の強引な手法ですw いつか刺されるかもしれない…)

でも現役がOB会費を作るってなかなかヤバイですよね(笑)

(でも、後々書きますがこれに対して抵抗感を持っては絶対にダメなんです)

 

問題はそれに対して「OB達が乗ってくれるかどうか」です。

やっぱりそこは人それぞれで、

「自分の生活があるのに寄付なんてしてられるか」

というOBもいるはずです。

実際に、

「自分達のときだって資金援助なしでやれてたんだ。だから必要ないだろ」

という声も過去にはあったと聞きました。

(もしかしたらそういう声がOB会費文化を作れないひとつの要因になっていたのかもしれません)

 

でも、先ほど書いた通り、このままでは活動限界は必ずきます。資金援助は絶対に必要です。

 

そこで僕が考えたのは、

OB会費=寄付

という考えを取っ払うことです。

 

結論を言うと、

OB会費にリターンを設ける

ことでこれを取っ払いたいと考えました。

 

イメージはふるさと納税クラウドファンディングです。

例えば、「毎年OB会費を払えばその年のチームTシャツが毎年届けられる」みたいなリターンをOBに提供する。そして、さらにOB会費の金額に応じてリターンの品も変える。こんな感じでOB会費を集めるのです。こうすれば、「寄付感」が薄まってお金を出すハードルが下がります。そして何より、OBにリターンというメリットを与えることができるので、「寄付を募る」よりはOB想いな方法だと思っています。

 

余談ですが、僕も母校にOB会費という名の寄付をしています。(口座引落でしっかり徴収されます笑)

でも、これは「早稲田ラクロスの繋がりを得られる」、そして「後輩達が結果を出してくれる」というリターンがあるから続けられることであり、早稲田が突然めちゃんこ弱くなったら「なんか毎年寄付するのもったいないなぁ」と思ってしまいます。やっぱりリターンを欲しがってるセコい自分がいるんです。(器ちっちゃ!笑)

 

話しをもどします。。

このリターンが今回のOB総会で言うところの「アパレル」になります。

だから予約販売という形をとりました。

もし「OB会費」「援助」「寄付」…このようなワードを使ってお願いするとお金を出す側は抵抗感を持ってしまいます。そのため、抵抗感を与えずに資金を調達するための手段として「アパレル予約販売」だったわけです。

結果として多くのOBから購入予約という支援をいただくことができました。おそらくOB総会に来てくれたOBのほぼ全員が購入してくれたはずです。(本当に大感謝!!)

 

 

…さて、ここからが今回僕が一番お話ししたいことです。

 

ここまで見ていただいた方(OBも含め)は、この資金集めに対してどんな印象を受けたでしょうか?

 

僕は銭ゲバですか?

そういうウラ事情を知ってしまったなら絶対支援したくないと思いますか?

「ボランティア」という言葉は逃げの言葉

先ほど何度も書きましたが、岩手大学ラクロス部は廃部寸前の危うい状態で運営されています。その原因はシンプルに「資金難」です。

 

ここでキングコングの西野さんが言っていたことを紹介します。

この内容は今回のOB会費の話にも通ずるものだと思っています。

↓↓↓

人を助けたいという想いをもって"継続的に"被災地のボランティアに行く人は、自分の利益を確保しながら活動しなければいけない。本当に被災地の人を助け続けたいのであれば、ボランティアとして活動して削られる自分の体力(資金力)を回復させなければいけない。その回復ができないのであれば共倒れになるだけ。

ただし、これに対して外野は「人助けビジネスだ、最低だ」などと好き勝手言ってきます。でも、それでいいんです。そうじゃないとダメなんです。

 

さらにこんなことも言っています。そして僕はこれに非常に共感しています。

 

ボランティアをする人が戦うべき敵は、「ビジネスをするなという外野の声」「"自分に利益を生んでいいんだろうか?"という自主規制」である。

自主規制とは、「いやいや、やっぱり利益を生まずにボランティアでやるべきだ」と自分で自分を止めてしまう行為のこと。

そしてその行為は逃げなんです。

なぜなら、そういう100%ボランティアでやっていれば外野から攻撃されないから。100%いい人でやれるんで。でも、そういう活動は継続できずに必ず終わりが来ます。だから、自分に利益が入るように設計した上でボランティア活動をしないと助け続けられないんです。

※詳細は以下聞いてみてください。


人を助けたければ、立ち向かうべき敵を明確にしろ-西野亮廣

↑↑↑

 

今回のアパレル予約販売をする際も、部員達には若干の抵抗感があったように感じました。それは多分上記の内容と一緒で、「OBからお金を巻き上げて自分達の利益にしていいんだろうか…」という自主規制です。でもこれは逃げです。ボランティアのように自分達のお金だけで部活動していれば批判も受けないだろうという逃げの思考です。

だから僕は逃げずにOB達に多少強めに売り込みました。僕自身、自主規制と戦いながら売り込みに行ったんです。

なぜなら、そうしないと強くならないし、部としての存続も危ぶまれるから。

だからやらなければいけないんです!

ビジネスしたっていいんです!

最後に…

今の日本の大学スポーツは、ほぼほぼボランティアです。NCAAのような環境を作ることもなかなかできません。であれば、資金を得るための活動が必要不可欠です。

それをOBと大学の(わずかな)補助金に頼るだけでいいのでしょうか?

岩手大学ラクロス部はまさにこの問題に直面しています。

今はシンプルに資金調達の方法を模索していますが、これには敵が多すぎます。でも活動を続けるためにはその敵から逃げずに取り組まなければいけません。

部員達がどこまで逃げずに向き合えるか、そして僕らコーチもどこまで勝負できるか。

僕たちはこれからもたくさん動いて挑戦します。この魅力的なチームをつぶすわけにはいかないので。ぜひぜひ今後もご注目いただければと思います!

 

今回は以上です!