絶対失敗する新歓

新歓のキモ

こんばんは。

岩手大学監督の佐藤陽一です。
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◎今回のテーマ

大失敗して学んだ新歓の教訓

新歓シーズン到来

4月に入り、今年も新歓のシーズンがやってきました。昨年からのコロナの影響もあり、多少制限がかかってはいますが新入生は例年とたいして変わらず入学してきます。新歓しないわけにはいきません。

部の人数が減ればチームはそのまま衰退します。場合によっては廃部の危機を迎えてしまうチームも出るかもしれません。

そこで、今回は全国のすべてのチームに向けて、僕が考える新歓の大事な大事な考え方をお伝えしたいと思います!

岩手大学の事例

まず、岩手大学の新歓について紹介します。

岩大の新入生は1学年男女合わせて約1000人。

それに対してコロナ真っ只中の2020年度は16人が入部しました。
(現在1人辞めてしまいましたが…)

 

つまり、大学の人数規模に対して約1.6%が入部してくれた形です。

この数字を見ると「なんだたったの1.6%か」と思いがちですが、これは結構大きい数字です。

ぜひ皆さんも、自チームの新入生が新入生全体の何%なのか計算してみてください。おそらく1%満たないところがほとんどだと思います。

そういう意味では、岩大は大学の規模に対しての入部数はそこそこ多いということになります。 そして昨年のコロナ禍でもこれだけの部員が入部しているというのは悪くない実績ではないでしょうか。

なぜこんなに入部したのか?

なぜコロナ禍でも入部数を伸ばすことができたのか?それは正直なところわかりません。

どちらかというと、「これをやったから成功した」というよりも、

「以前の失敗を繰り返さないことを意識して取り組んだ結果、コロナ禍でも部員数を確保できた」

という方が正しいかもしれません。

というのも、実は岩大は入部数を毎年維持できているんです。
これは「大失敗のない新歓」ができているということで、大失敗はないから「ちょっと少なめか普通か成功」の新歓ができるということでもあります。

以前の失敗とは?

過去に岩大では入部数4人という壊滅的な新歓をしてしまったことがあります。しかもすぐに1人が辞めてしまい、結局残ったのは3人だけ。ラクロスは少なくとも20人いないと試合は成り立ちません。最低でも各学年5人は必要です。もちろん、高みを目指すのならこんな人数ではお話になりませんが、5人以下は部の存続という点から見ても大ピンチです。

このときの新歓は僕が経験した中で一番の大失敗だったんです。

大失敗の原因

この大失敗した新歓を振り返って気づいたことは2つです。

①新4年生が新歓活動を行わなかった

②イベントにこだわった

僕はこの2つが大失敗した原因だと考え、それ以降はこの2つの傾向が出てきたら要注意と思って新歓活動に取り組んでいます。

ちなみに、僕は監督という立場ですが、新歓活動はゴリゴリに関わっています。パンフの作成は毎年僕が担当していますし、昨年は新入生と一緒に食事に行って部員獲得もしました。監督だから、コーチだからといって一歩引くなんて考えはありません。絶対失敗できない場面ではどんどんチームに関わります。これが僕のスタイルなので。

では、話を戻してこの2つの大失敗原因について説明したいと思います。

①新4年生が新歓活動を行わなかった

これはまんまその通りなんですが、大失敗した年は新4年生が新歓活動に全く関わリませんでした。

これ、結構多くの大学がそうなんですが、なぜ新4年生は新歓活動に消極的なチームが多いのでしょう?

多分心のどこかで
「入ってくる1年生は自分たちの戦績に影響を与えない」
と思ってるのではないでしょうか?だから就活等を言い訳に新歓に関わらない。

さらに、就活ならまだしも、
「伝統的にそうだったから」
「過去の先輩もそうだったから」
という安易な理由でやらない場合もあります。

これらは絶対にマインドチェンジすべきです。

いずれにしても、「4年生が新歓に関わらない」という状況を作ってしまうと大失敗するのはわかったので、岩大では毎年4年生こそ新歓をやるように伝えています。

②イベントにこだわった

これ自体は悪いことではありません。ただ、大失敗したときはイベントにこだわって、もっと大事な「勧誘」にこだわリませんでした。たとえるなら、お店が「集客」にこだわって「売上」にこだわらなかった感じです。

このときは、いろんなイベントをやっていました。1年生が楽しむためのイベントをたくさん開催しようと、スポーツ大会とか花見とかBBQとか新たな試みのイベントを多数作っていたのを覚えています。でも、それで集めても肝心の入部に繋がらない。これは人が集まったことで満足したり、イベントで1年生と楽しくお話しするだけになってしまったからです。新歓は1年生を楽しませて仲良くするイベントではありません。本来の目的を間違えると大失敗をするといういい教訓になりました。

大失敗からの教訓

この大失敗とその原因から、岩大の新歓では以下を意識しています。

①4年生こそ新歓活動を頑張る

②ちゃんと「勧誘」する

 

①はその通りなので説明を省きますが、②はもうちょっと具体的に言うと、

 「1対1で話して」「入部のお願い」をするまでやろう

ということです。

いや、こんなの当たり前と思うかもしれませんが、新歓がうまくいってないチームはこれが一番できていません。

たとえば、新歓でよくあるのが、
「新入生同士の友達作りをサポートします」「新入生のお悩み相談会します」「体験会に来てくれたらご飯ご馳走します」みたいな形で新歓しちゃうパターンです。
これは、入りとしてはいいかもしれませんが、最後までそれをやっちゃうと全く意味がありません。本末転倒です。

最後は絶対に絶対に「勧誘」しなければいけません!

「入部して!お願い!」と言わなきゃダメなんです!

イベントでは人を集めるのに肝心の入部数はそれほどでもないというチーム、または他団体とかありませんか?ちなみに、僕が現役の頃はアメフト部がまさにそんな感じでした。

というわけで、

「部員一人ひとりが新入生一人ひとりと向き合ってちゃんと勧誘する」

これができない規模の集客をしてしまうと逆にキケンなので要注意です。

コロナ禍でも根本は変わらない

昨年のコロナ禍に入部したメンバーに聞き取りしたところ、やはり入部のきっかけは「先輩から誘われて」とか「先輩からのDM」というのが多数でした。

つまり、

1対1の勧誘

です。

「部の雰囲気が良かったから」と言う意見もありましたが、それは後付けで、それを知るきっかけがないといけません。結局きっかけは「1対1の勧誘」でした。

コロナを理由にオンラインのSNS等にばかり注力すると、この1対1を忘れがちです。SNSという大きな網で獲ろうとしてもダメです。SNSは集客するまでしか使えません。

これを打破するためには「直接会う」もしくはオンラインなら「DM(ダイレクトメール)」です。

これなら1対1に持ち込めます。そして、その1対1で最後は部員一人ひとりが「モリ」を持って確実に一人ずつ入部させるように突いていかなければいけません。

この1対1、ラクロス風に言うなら「1ON1」こそがコロナ禍でも変わらない新歓のキモです。

効率なんて求めなくていいんです。

だって、

部員1人が新入生1人を入部させられたらそれだけで十分な人数になりませんか?

モリで突きにいけばいいんです。

最後に

『新歓も1ON1』

この考え方で新歓に取り組めば大失敗することはないはずです。

 

ただ、その上で最後に伝えたいことがあります。

それは、

「新歓がうまくいかない理由をコロナのせいにするな、そしてオンラインだけでなんとかしようとするな」

ということです。

 

「大学のルールで新歓ができなくて…」

という理由をあげる人もいるかもしれません。

でも、そんな人たちに知ってもらいたいのは以下のエピソードです。

 

昨年の話になりますが、

岩大のある4年生部員は自分のアパートの隣に岩大の新入生がいることを知り、
玄関で待ち伏せして声をかけて入部まで導きました。

まさに鬼の1ON1です笑
(もちろん上品な勧誘をしないと色々問題起きるのでそこの配慮はできている部員でした)

余談ですが、その鬼の1ON1を受けた新入生は先日の新人戦でMVPを獲得するまでになりました。 

たしかに大学のルールで新歓できない理由はわかります。
でもそれで新歓の全てを諦めないでください。

上記のエピソード以外にも、岩大には12月入部の部員が2名います。
なんとかして部員数を増やそうと12月まで新歓を続けた結果です。

やれることは意外とたくさんあります。
失敗しても改善すればいいだけです。
1年間続けてください。

部員数に不安があるというチームはここまでやる前提で取り組みましょう。

  

それじゃあまた!