モチベーションなんていらない話
モチベーションを凌駕する無意識の取り組み
こんばんは。
岩手大学HCの佐藤陽一です。
https://linktr.ee/yoichilax2044
↑↑↑
オンラインサロン、Facebook、Twitter、Instagramでもリアルな育成情報を発信しています。ぜひ!
今回は僕が今シーズンの取り組みから学んだことをお話したいと思います。
テーマは
「リーダーの仕事」
というちょっと重くてカタいテーマです。
途中エラソーな表現が何度もありますが、そこはスミマセン。。
なんとなく僕の中で結論めいたものが見えたときは自信があるのでエラソーに熱く語らせてもらいます。笑
今回はそんな回です。
リーダーとは
主将、監督、コーチ、DFリーダー、OFリーダー、〇〇長…
こんな感じで、世の中には「リーダー」と呼ばれる役職があふれています。
リーダーの定義は調べればいくらでも出てきますが、僕自身は
↓↓↓
リーダーとは
「自分以外の誰かを動かす人」
である
↑↑↑
と定義しています。
指示型、参加型、委任型…みたいにリーダーの型を定義したものありますが、結局まとめると、リーダーって「誰かと関わって誰かを動かす人」なので、めちゃめちゃシンプルだなと思っています。
そして、そう考えると、人と関わって活動する限り、誰しもが大なり小なり必ずリーダーになります。役職がついてるからリーダーなのではありません。
「誰かに指示を出す」という行為をした瞬間にその人はリーダーになってるんです。
皆さんはどうする?
一般的にリーダーや責任者というのは部下や後輩に
「どうやってやらせるか?」
を考えます。
ここで問題です。
↓↓↓
【問題】
チーム全体の課題として
「全員がもっと自主練しなければいけない」
となったとします。
そのとき、皆さんがメンバー全員を動かさなければいけない立場(リーダー)だったらどんな行動をとるのが正解でしょうか?
①〜④の中から選んでください。
①自主練の大切さをメンバーに訴え、メンバーのマインドを変える
②自分が率先して自主練し、その姿をメンバーに見せる
③強制的に自主練時間を設け、練習開始30分前に全員を集合させて自主練させる
④メンバーを誘って一緒に自主練する
答えは決まりましたか?
ここからは答えを決めた人のみ読み進めていただければと。
行動させられなきゃ意味がない
では、僕が考える正解を発表します。
正解は③と④です。
その理由を説明します。
先ほどの問題で大事なのは、
「メンバーが自主練という行動を起こすこと」
です。
つまり、「メンバーが自主練できなかったら失敗」です。
そう考えると、
①と②はリーダーとして三流以下の悪手で、怠慢な対応といえます。
これらはあくまでメンバーのマインドを変えようとしているだけで、肝心の「自主練させる」という行動まで届いていないからです。
メンバーが実際に自主練するところまで責任を持つのがリーダーです。
(ここめちゃくちゃ重要!)
というわけで、リーダーとしてふさわしい行動は③と④が正解です。
③でもいいの?
③と④が正解と言いましたが、本当に③でもいいのかという疑問はあるかもしれません。
でもリーダーの仕事としては正解です。若干パワハラ感が漂いますが…。
多くの人が勘違いしていますが、リーダーの仕事は「メンバーに行動させられたかどうか」がまずは評価されます。
それができた上でのモラルの話です。
行動させられなかったくせにモラルの是非を問うのはそもそも論外なんです。
だから、
まずは
「どうやってやらせるか?」
そして、
「やらせることができた上でそのやらせ方に問題はなかったか?」
という順序で考えることが大切です。
ちなみに③は実話です。(このあと登場します)
一流のやり方
僕が思う一流のリーダーは、
部下や後輩が
「自然と無意識にやっちゃう」
仕組みをデザインします。
#アフォーダンス理論
ダメな例をあげると、
先輩が後輩に対して「やれよ!」「なんでできないの?」みたいなキツイ言葉を浴びせるパターン。これはどこのチームでも見られる光景です。
でも、アフォーダンス的に言えば、それは
「後輩がやれるようにデザインしなかった先輩が悪い」
わけです。
でも、実際は言葉だけで後輩の心を動かしてやらせようとする先輩はとても多い。
最終目的は「後輩に行動させる」ことなのに、
ほとんどの人が
①後輩に言う
②後輩のマインドをつくる
までしかデザインしない。
やるべきは
①後輩に言う
②後輩のマインドをつくる
③後輩が行動を起こす
までの仕組みをデザインする。
※なんなら①②はなくてもいい。③ができればいいなら①②すら不要。それがアフォーダンス。
究極のチーム
究極は、「意識高く頑張って行動させる」のではなく、
「無意識に普通に行動させる」
です。
ちょっと考えてみてほしいんですが、
そもそも「意識高く頑張る」ってなんか矛盾してませんか?
なぜなら、「意識高く」というのは「頑張って」するものじゃないから。
「意識の高い人」というのは、その人自身は自然にやっていてそこまで頑張ってない。
というわけで、最高に意識の高い取り組みとは、「ZONEに入った」「夢中」と言われるような「無意識の取り組み」だと言えます。
そう考えると、個人だけでなく、チームも、
意識高く頑張らなければいけないことを「ストレスなく無意識にやる」
ことができたら最強だと思いませんか?
強いチームの無意識の取り組み
ちなみに、強いチームはこの無意識に行動できるものが多いんです。
たとえば、
切り替えのリスタート、グラボの一歩目の素早い寄り、ハリバック、飛び出し、フライの全力ダッシュ…こんなものは呼吸するかのようにやる。
だから強い。
そしてそれらは「チームの雰囲気」が勝手に創り出した。
「先輩が普通にやってるから同じようにやってるだけ」
これが強いチームの後輩です。
先輩の姿を見て後輩は勝手に覚える。
「先輩が普通にやってるから後輩も無意識にできるようになる」
というアフォーダンスです。
このチームの雰囲気を作っていくのもリーダーの手腕なのかもしれません。
具体的にどうデザインするか?
この「チームの雰囲気」を作ることについて、僕は最初はムリヤリ感があってもいいと思っています。
例をあげます。(これが先程の③の実話)
僕が早稲田のコーチになったときのことです。
そのときに驚いたのが、僕が現役の頃にはなかった「練習前自主練」があったことです。(今もやってるのでしょうか?)
なんと、この練習前自主練ですが、全員が普通に参加してたんです。自主練なのに。
後輩のコーチに話を聞くと、
「2年前からやってて、その頃は強制感があった」
「なんとなくみんな参加しなきゃならなくなった」
とのこと。
僕は
「え?強制自主練なんだよね?なんで今もその文化続いてるの?」
と聞きましたが
「まぁあまり深く考えずそういうもんだと思ってみんなやってます」
とのこと。
これ、怖いですけど面白くもあります。
最初は強制でやらせていた自主練でも、2年後3年後の部員たちは「そういうものだから」といって特にギモンを持たない。でも、普通にゴリゴリと自主練するから当然うまくなる。これは「無意識」に近いです。
他のチームが嫌々やることを無意識にやれてしまってる。
そしてそれは代々受け継がれたチーム文化が生み出したものです。
もしかしたら、そんな取り組みレベルを上げるアフォーダンス(ここではチーム文化)を積み重ねていったからこそ強いチームはいつまでも強いのかもしれません。
そして、逆に取り組みレベル(基準)を落とす世代が生まれるとチームはどんどん弱くなっていきます。残念ながら、どこのチームにも基準を落としてしまう残念な世代はいます。
コーチはそれを見て見ぬ振りをしてはいけません。
ちなみに僕は以前基準が下がってしまったチームをそのままにしてしまったことがあり、今でも鬼後悔しています。一度でも基準を下げてしまうとそこから上げるのはかなり苦労します。少なくとも、最初に優勝した世代と現在の世代では明らかに基準は下がっています。でも、これは僕や優勝世代のメンバーだった人しか感じられません。今の部員にそれを説いても伝わらないんです。だから基準をもう一度上げるというのはとても大変なんです。
リーダーの仕事術
というわけで最後にまとめると、
・他人を動かす瞬間に全員がリーダーとなる
・人を動かすなら、アフォーダンス理論を駆使して「自然とみんながやっちゃう仕組み」をつくること
これが僕が考えるリーダーの仕事です。
ちなみに、ここでつながるのですが、
前回記事にした「クッキングユニット」はまさにこの転用です。
これからもこの視点で取り組みを考えるとチームが強くなる予感がします。
今回は以上ですー!
<お知らせ>
オンラインサロン『ラクロスの哲学』を開設しています。
ここではラクロスコーチングにまつわる様々な話を発信しています。
例えば、ブログの深堀や今やっている新たな挑戦…といった内容です。
そしてその発信に対してメンバー同士で様々な意見交換が行われています。
興味のある指導者の方、チーム代表者の方はぜひ!
↓↓入会方法はこちらの記事を参考に↓↓