『ラクロスコーチングハック』
タイトル変えました
おばんです。岩手大学HCの佐藤陽一です。
突然ですが、これまでのブログタイトルである「勝利のラクロスコーチング」を
「ラクロスコーチングハック」
と変えました。
タイトルを変えることは以前から検討してました。
詳細はこちらをご覧頂きたいです。
ということで、ブログの内容にも変化が出てきて、理論や方法を伝えてきたブログから、色んなことに挑戦する「過程」を綴るブログとなりました。
実はこの自己紹介の記事のタイミングでブログタイトルを変えようと考えていましたが、なかなかピンとくるものがなかったんです。。
そんなときですね。
部員たちにやらせていた自己分析。
これを僕自身もやったわけです。
(部員たちだけやらせて自分がやらないというのも説得力ないので)
その結果、
自分のコーチングの軸
を定めることができ、ブログのタイトルもしっくりくるものに変更することができました。
いやいやそれにしても久々に自己分析やりました。転職したとき以来でしょうか。もしかしたらそのとき以上に濃密だったかもしれません。でもやっぱり自分の軸を再認識できるとスッキリしますね。
コーチングの軸
自己分析をやったことで定まった僕のコーチングの軸について説明します。
僕のコーチングの軸、それは
「実験思考」
「ラクロスコーチング界への挑戦」
「目の前の課題を画期的なアイディアで突破すること」
つまるところ
ラクロスコーチングをハックすること
これが僕の軸です。
「ハック」という言葉は「ハッキング」「ハッカー」みたいなあまり印象の良くない言葉かもしれませんが、別の使われ方もします。
それが
「問題に対してうまく対処する」
「難題を巧みに解決する」
みたいな意味合いです。
リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー
突然ですが、話変わります。(最後には戻りますのでw)
先日、東北地区でA級指導者講習会がありました。
僕はその講習会のスタッフとして参加していましたが、そのときの講師である佐藤壮さん(立教大学HC)が面白い話をしていました。
それが
「リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー」
という、マーケティングのフレームワークの話です。
ざっくり説明すると、業界の企業は
・市場で最大のシェアをもつ「リーダー」
・リーダーの後を追う2番手以降の「チャレンジャー」
・チャレンジャーに及ばないがリーダーに追いつこうとする「フォロワー」
・上記とは異なり市場の穴場(ニッチ)を狙って独自の立場を築く「ニッチャー」
という4つの戦略で分けられるようです。
例えば自動車業界で言えばこんな感じです。
これを大学ラクロス界に当てはめて考えると、
以下の感じでしょうか。
『少人数、低賃金、悪環境』という日本屈指のブラックベンチャーチームである岩手大は、当然フォロワーにすらなり得ません。
そもそものリソース、環境が圧倒的に違うので。
岩手大が関東の強豪校と同じような戦略で取り組んだところで、規模で勝る大企業チームに勝てるはずがないのです。
つまり、リーダー、チャレンジャー、ニッチャー、フォロワーの4階層で言うところのニッチャーこそ岩手大の今の立ち位置です。
ニッチャーの戦略
このニッチャーの戦略こそが僕のコーチングの軸を作り出しているバックボーンです。
「岩手大はリーダーやチャレンジャー、その他フォロワーの大学と同じ土俵で戦っても勝てない。だから絶対に他大学の真似はしない。」
このバックボーンが僕のコーチングを色濃く反映しています。
ちなみに、ニッチャーとしてやるべきことは
「独自の戦略」
「独自の運営」
そして、そこから生まれるであろう
リーダーが真似できない差別化
です。
東北地区には関東強豪校と同レベルかそれ以上のリソースと良環境を持つ東北大学がいます。正直東北大はリーダーやチャレンジャーの真似をするだけでもどんどん強くなっていくでしょう。
岩手大がその牙城を崩すためには、ニッチャー思考を毎年植え付け、意外性と絶対に勝てる土俵を作り出すしかありません。
ニッチャー思考があれば挑戦できる
岩手大は部員全員がニッチャー思考をもっています。同じことをやったって勝てないというのはずっと言い続けてきたし、他大学のリソースと環境の差は日頃から感じています。この状況で「よし、早稲田のやっていることをやろう」という思考には絶対なりません。
でも、僕はこの「ニッチャー思考を持っていること」は岩手大の最大の強みだと思っています。
なぜなら、ニッチャー思考を持っているということは
大胆にチームを変える挑戦ができる
ということだからです。
これが例えば中途半端にリソースと良環境を持っている大学だったとしたら、
「チームを少し変えればリーダーに追いつけるかもしれない。なぜなら自分たちはチャレンジャー(フォロワー)だから」
という思考になりがちです。
そして、
「チームを大きく変えてしまったら昨年よりも悪い成績になるかもしれない」
という不安も同時に付きまといます。
こうなってくると
「自分たちはニッチャーである」
という思考にはまずならないし、大きな挑戦はできなくなります。
ちなみに、そのような大学は
社会人のトップチームの考え方、強豪校の考え方、日本代表の考え方、それらに付随する練習…
をそっくりそのまま真似して取り入れる傾向が強いです。戦略、戦術、運営方法も強豪校の真似事である場合がほとんどです。
結局チームを変えると言っても「"昨年のチーム"からちょっと変える」程度の変化しか生めません。
これがチャレンジャーとフォロワーの思考です。
(ただ、大学ラクロスが面白いのは、この"ちょっとの変化"でチャレンジャーやフォロワーがリーダーを喰う可能性が十分にあるということです。それくらい大学ラクロスは各チームにほとんど差がない状態で面白いスポーツエンタメであるともいえます。)
というわけで、ニッチャー思考を持てるチームは実は少ないというのが大学ラクロス界の現状だと僕は思っています。
日本ラクロス界をハックする
岩手大は挑戦する土壌にあふれています。
特にこの挑戦は昨年から顕著になってきました。
例を挙げると、
岩手大の新2年生はオリジナルの特殊練習ばかりやってきたので、ラインドリルやスクエアのようなよくある基本的なメニューを知りません。(最近知ったようですがw)
なので他大学の練習に参加するとたいてい戸惑います。
また、戦術も冷ややかな目で見られることもありますが、
今や岩手大のオフェンスの基本は
「Short5人のLong1人」
です。
(これを「No.6戦術」と名付けてデフォルトとしています)
Short6人でオフェンスすることはありません。
※ちなみに僕は大マジメに、この「Short5+Long1」は未来のラクロスでは当たり前になるとさえ思っています。
そして今シーズンは戦術や戦略以上に「運営面」での挑戦が盛りだくさんです。
このブログでも、今後は「岩手大でこんなことをしてみました」という発信をたくさんすると思います。
もしかしたら「バカじゃないの?」と思われることも多いかもしれません。
でも、外野の声はなるべく気にせず色々やってきたいと思います。笑
岩手大は挑戦しまくります!
そしてその挑戦が認められ、日本ラクロス界の新たな文化やトレンドを形成できたら最高にうれしいです。
ぜひ温かい目で見守っていただければと思います。
ここから僕の挑戦も始まります。
日本ラクロス界をハックする。
『ラクロスコーチングハック』スタートです!